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全力でゆとる。

好きなものは好きなんだから仕方ないじゃない。

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珍しく、というか初めてですが。
読んだ本の感想なんぞ書きたいと思います。
軽い小説の感想だったらブクログに書いたりしてるんですが、今回は同人誌なのでこっちに。
同人誌の感想なんぞ一般人の目に触れるところに書くなという感じなんですが…
書いた人が親しい友人なこともあるし、同人誌とは言え作品として本当に好きで、素晴らしいと思うので堪え切れずに書いてしまいます。
本人に手紙にでもしたためて送るべきとも思うんですが、それすらこうして誰かが読む可能性のある場所に置いておきたいと思うくらい、本当に本当に良い作品だったんです。

機会はそう多くないけれど、私も人に書いたものの感想を貰った事のある身として、感想を抱いて、それを本人に伝えてもらえるというのはとてもとても嬉しいものだと思うんです。
面白かった、萌えた、それ以上の、たった一言でも良いから彼女ないし彼だけの言葉で感想を貰えたなら、そんな嬉しい事はないと思うんです。
感想というのは褒めるばかりではない。思った事をそのまま伝える事だと思う、が、それが言うほど簡単な事でないのも分かります。
だって、誰だって好きな作品を書かれる作家さんに褒め言葉以外を送るのは気が引けるものですから。
それでも、私は彼女との距離の近さとか、なんとなく許されていそうな空気とか、いろんなものに乗っかって感想をこうして思ったまま打つのです。
結果としてまぁ自分でもアホかなって思うくらい盲目的になりつつあるんですけどね。
そんで、別に、誰かにその感想を共感して欲しい訳ではないけれど、興味を持つ切欠になってくれてもいいかな、とか思ったり。
読み終わっての感動に任せての感想なので書き言葉だったり話し言葉だったり、混ざりに混ざっていますがその辺はご容赦を。具体的にあまり書いてませんが当然の如くネタバレしまくりです。

結構長いですが、結局のところ、私が感想が書きたくて書きたくて仕方なくなってしまった、それだけです。

一応本の性質上畳んでおきます。

『透明人間 下』
著/絢見ゼロイチ 発行/偏愛絶対零度

以前発行されていた透明人間の続き、下巻です。
冬コミで発行されたFateの弓槍本。
正直、私としてはFateの、までは良いとして、弓槍本と書いてしまうのがとても勿体なく思います。
同人誌の宿命ですが、カップリングを明確に記してしまうと確実に逆のカップリングを好きで、それしか読まない人というのが出てきてしまうからです。
私自身好きなカップリングは色々な作品であるからよく分かります。逆カプというのはそれだけで地雷足りうる、腐女子にとって訳の分からない暴力みたいなものだから。
ですが、彼女の作品に限って言えば、それは勿体ない以外の何物でもない。
作中の彼らが愛し合う姿が、分類指標であるカップリングの攻受に妨げられるなんて、言葉に出来ない悔しさが募ります。
まぁ、かといって私自身が(他作品は兎も角)Fate、ことクーとエミヤに関して攻受に拘りが無いから言える事なのかもしれないんですが。その辺はたかが趣味とは言え(オタク、腐女子という世界に於いては)なかなかデリケートな問題なので脇にポイです。

まず、この話がハッピーエンドかと聞かれたら、私は迷い無くハッピーエンドであると答えます。
ゼロイチ先生自身あとがきで書かれてますが、それに迎合するという訳でもなく、このお話は私にとってもハッピーエンドでした。
そして、想像したよりずっとずっと、救いがあって幸せになれたお話でした。

Fateの世界と離れた、パラレルという世界観で進むお話。
私はあまりパラレルものは好きな作家さんでも読んだり読まなかったりと、ちょっと苦手としてる部分がある部類なんですが、彼女パラレル本はいつも楽しみにしています。
彼らが生きてきた人生が、今の彼らを作っているのだと分かる、キャラクターに原作の助けを必要とせずに厚みを与えられる彼女の作品ならではだと思ってます。

内容の前に表現とかについて先に。
ストーリーに時の流れが大きく関わっているから、季節感の表現はとても大切な要素の一つだと思いました。
それが丁寧に表現されていて、上巻から続く干し柿の出来る過程とか、服装や気温や天気、そんなものたちが随所にちりばめられていて、読んでいて想像し易く読み易かったです。
彼らの関係性はもちろんのこと。
流星群を眺める彼らの、寝転んだ背中が(堅くはないだろうが)冷たいんじゃないかとか、書いていない部分を想像出来る余裕みたいなものを与えてくれる文章だと思いました。
あと、クーの若干意味不明な日本語を解読するエミヤがとても好きで、両方共可愛くて仕方なかったです。
終盤のPacking tapeは、その言葉が出てきた瞬間に状況が分かってしまって切なくて仕方ないのに、可笑しくて、どうしていいか分からなくなりました。
小説を読んでこんなちょっとどうしたら、みたいな気持ちになったのは初めてかも知れないです。
全体として、走るところもだれるところもなく良い意味で均等で、それが却って時の流れの無情さとか残酷さみたいなものを感じさせて、感情の生き物であるところの人間としては辛くてこのお話にはとても効果的な印象を受けました。
(でもやっぱ辛かった!!)

内容の方。
年齢に関わらず、これ迄生きてきた人生で形作られた自分を変えるのは至難の業。
それが良い方にであれ、悪い方にであれ。
そしてそれが彼らの存在意義やら、存在意味やら、自己否定やらと通常抱えるべきものより重ければ尚更。
「愛の力で克服」と言葉にするのは簡単で、陳腐で、あまりに情緒がないけれど、まぁそのままで、だけど矢張りそれだけではなくて。
克服なんてそう簡単に出来るものでも、していいものでもないんだと私は思います。
ただ、彼らがこれからを生きていく上で必要なものを手に入れる、そんなお話かなと、思った訳です。
好きという気持ち、愛しているという気持ちだけではどうにもならない現実というのはあるものです。
それでも、現実はどうにもならなくても、その現実に立ち向かう(別に立ち向かわなくても)「彼ら自身」のカタチが変われば、彼らにとっては幸福を感じられる現実になるのではないか。
外から観たところで何も変わっていなくても、当人たちの感じ方で彼らの人生は泥沼にもバラ色にもなるのですから。

クーもエミヤも、頭が良くて、でも愚かで、端から見ればもどかしいところもある、でも葛藤もわかる。
感情移入は得意(笑)ですが、それにしても彼らは彼ららしく、とても一生懸命生きていて、苦悩していて、胸が締めつけられる思いでした。
クーはこれまでの人生で少しずつ、少しずつ一定量の澱が溜まって溜まって、それが彼を透明にしてしまった、
エミヤは、昔刺さった刺が抜けないまま、その上に何でもない日常が覆い被さって抜けぬまま、彼を透明にしてしまった、
そんな印象を受けました。
自分を認めるというのは難しい。
人の短くない一生で、それを本当の意味で出来る人なんているのだろうか、と思うくらい難しい事だと、私は思います。
彼らがそれを達せたと思うと、それが小説の中の事だったとしても、ただ嬉しいです。
彼らの別離のシーンで、涙が出ました。
エミヤの涙までは必死で堪えていたのに、クーも泣いてしまったら、まさに、「君のそんな顔を見たら、引っ込む涙も引っ込まない」です。よく言ったエミヤ。
涙腺は緩い方、自覚はありますが、それにしたってひどい。涙に読むのを邪魔されたくなくて、慌ててタオルを引っ張ってきました。

私は「ありがとう」、でこのお話は終わるのだと思っていました。
苦しいけれど、それでも彼らの選んだ道は決して暗いものではないと、信じられたからです。
この時点で本来(?)の同人誌としての単純な萌えや楽しさから完全に離れていますがその辺はゼロイチ先生の本では慣れているので置いといて。
三ヶ月後、これがあったお陰で、このお話は私の中でハッピーエンド且つ、救いも幸せも、読者への優しさもある作品になりました。
別に読者への優しさは無くても構わないんですが、救いがあって、エミヤもクーもこれから生きていける、彼ら夫々の人生を生きていけると確信が持てました。
こんな嬉しい事って無いです。

あー、良かった。
何と言うか、ハッピーエンドとは、みたいな話をよくゼロイチ先生とするんですが、その答えって人夫々で、まぁ偶々私の思うハッピーエンドと彼女の思うハッピーエンドは近いからここまで感じ入れるんだとは思います。
そこは否定しない。
けど、普段そう思ってない人にも是非読んでもらいたいと、思います。
心に残るのは、好き嫌いとかそういうのの外…ではないけど、それ以上のところにあるんじゃないかと思うからです。
変な例ですけど、私すごくバトルロワイヤルって心に残ってて、好き嫌いで言ったらあまり好きではない話だったんですが、それでも何か残るものはあって、時間が経ったらまた読もう、そして以前抱いた感想とは違う感想に至ったら面白いなと思ってます。
なんていうか、そういうこと。
まぁその例は置いておいても、最初に書いたように好きなカップリングの逆だとか、そういうことで別けて捨ててしまうにはあまりに惜しいな、と思います。

ゼロイチ先生のどのお話にも言えることですけど、感情表現が丁寧なのと、あとこれは好みですが地の文が多いのが私はとても好きです。
語彙が少なくて、的確に彼女の作品を表現出来ないんですが、感動、というものです。
お涙頂戴映画で感動する、それはある。私なんて涙脆いから狙われてるの分かってても泣きますし。
だけど感動はそれだけじゃない。(そういう使われ方が圧倒的に多いから「感動」という言葉にそういうイメージこびり付いてるとは思いますが)
心動かされる、それが感動です。
言葉通りの意味だけど、私はそう思います。
そういう意味で、「透明人間」は感動出来るものだったと、思いました。



大好きです。
彼らの未来に、光りあらんことを。












以上!
長文ラブレターでした!(笑)
宣伝貼っとく!

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